なぜ、このソックスを作ったのか
ソックスは「ギア(用具・グッズ)」の要素がとても大きいウェアだと思っています。
GRIN★FACTORYではクールマックスという高品質な糸を全体に使ったバスケットボール用ソックスを何種類か発売しどれも履き心地もよく長持ちすると好評をいただいていましたが、そろそろそれらを超えるもっといいソックスを作りたいと思うようになっていました。
そんな中、スポーツソックスを強化し始めているソックス作りのプロのエコノレッグさんと出会い「バスケットボールのくつした」を作ることになりました。
テーマを先に決めました履いてほしいのは誰か
GRIN★FACTORYのお客さんの多くはミニバス選手(のお父さん・お母さん)です。
作ろうとおもえば、がっちりきつめのテーピングソックスも作ることはできますが、その分、履きにくくなり、長時間履くと逆に痛くなったりすることも想定されます。
そもそも子どもって履くのがめんどくさいようなソックス履いてくれませんよね(笑)大人でも面倒なのに。
私自身、甲高のせいかソックスによっては履いているうちに甲が痛くなるものがあり短時間しか履けません。
長い時間は「履けないサポート」ソックスってなんかおかしくない?と思っていました。
だから誰も(甲高でも!子供でも!)が「気持ちいい・履きたい」と思えるようなサポートソックスを作りたい。
そこで担当の方に
アスリートや競技志向の選手にはいろいろ考えている会社はあるでしょうから、と思うのでウチは子供の足を「守る」ためのソックスを作りたいです。
と相談すると
「あぁ、それはいいですね!そうしましょう!
でも、子供の足だからこそ、守るだけじゃなく鍛える(育てる)こともしたいですね。」
と助言いただき「鍛えつつ、守る」をテーマにソックス作りが始まりました。
工場見学・打ち合わせ試作・試し履き
まず、最初に奈良県にあるエコノレッグさんの工場見学に行きました。
ほかの競技だとこんな感じとサンプルを履かせていただいたり、エコノレッグさんの靴下へのこだわりや愛情!をたっぷり聞かせていただき、ますますこの会社にバスケソックスを作ってもらいたい!と思いました。
まず、実際にあるほかのスポーツのサポートソックスを練習で履いてフィードバックすることが始まりました。
試作・試し履き・フォードバック繰り返すこと1年。
もっとサポートが感じられてもいいのかなと悩み、足部を研究している専門のトレーナーさんにも入ってもらい相談したところ、あまりきつくサポートするとかえってアーチは落ちてしまう。とのこと・・・
ではこれがソックスとしてのベスト・・・それに、これ以上きつくするとテーマから離れてしまう。
そうソックスは、あくまでも、ソックス。履き心地も大事。
途中忙しくて間が空いちゃうこともありましたが、最終試作ソックスで、ひそかに2022年の日本スポーツマスターズ岩手大会では連覇(大阪代表)しました。
なのですでに日本一になったソックスともいえます(笑)
貼り付け滑り止めなど、ほかのスポーツには必須でもバスケソックスに付けると合わない機能やこれはほしい機能などを付けたり引いたりして出来上がりました。
特徴その1.足指が痛くならない足袋型ソックス
バスケットボール専用では初!?
指間に縫い目のない3D立体構造なので生地が伸び指の間が痛くなりません。
この技術も案外ないものらしく、マラソンなど長時間同じ方向に負荷がかかるスポーツでは指間に縫い目のあるソックスを履くと指の間が血まみれになっていたりすることもあるようです。
バスケットボールの場合は横に蹴る動作や踏ん張るような動作を頻繁にするためどのように負荷かかるか予想がしにくいので、極力指に負荷をかけずにでもしっかり踏ん張れる足袋型ソックスを採用しました。
足袋型ソックスを常用することで自然と足指の感覚も鍛えられる効果も考えられますのでぜひ食わず嫌いから卒業して足袋ソックスの世界に1歩足を踏み入れてみて下さい。
※効果には個人差があります
特徴その2.かかとサポート(ヒールロック)
しっかり固定してケガ予防
バスケットボールは捻挫や膝など足の怪我が多い競技ですが、足首の捻挫をしすぎて足首がぐらぐらの選手も少なくないと思います。
そんな選手がこのソックスを履くとかかとがそっとサポートされていることに気が付くかもしれません。
かかとにサポートをいれることで着地時のぐらつきを軽減でき、後述するアーチサポートとの相乗効果により疲れも軽減させる効果が予想されます。
※効果には個人差があります
特徴その3.アーチクロスサポート
締め付けすぎずゆるくない
「支えすぎはアーチの低下を逆に招く」
サポートに頼りすぎるとこの部位は使わなくていいと筋肉は弱って使えなくなっていきます。かといってサポートが全くない状態では使えないままになります。
そこでアーチサポートは「必要」かつ「最低限」にして選手自身のアーチを鍛えていくことができるようにしました。
かかとサポートとともにアーチをクロスで支えることで安心感のある履き心地になりました。
しかし、締め付け感がないので、長時間履いていても痛みや違和感を感じることなくプレーが出来ることでしょう。(当然、日常履きやほかのスポーツにもお勧めです)
※効果には個人差があります
特徴その4.編み込み滑り止め
足とソックス、ソックスとシューズをとめる
制作当初は、スポーツには貼り付ける滑り止めが有効ということで、実際貼り付け滑り止めの試作品も作ってもらい試しました。練習で履いてみると、確かに貼り付け滑り止めは強力でグリップもすごく利きました。
でも・・・・たしかに「シューズとソックス」は滑らないのですが、そのグリップの強力さ上に今度は「ソックスと自分の足裏」がずれていく感覚がありものすごく気になりました。
自分の足裏からソックスがずれた感覚はとても気になったので、今回は編み込み滑り止めを付けていただくことで「足とソックスとシューズ」の摩擦係数を増やそうということに落ち着きました。砂や芝生で行う競技と、床のコートで行う競技の「ストップ感の感覚」の違いがあることについては初めて意識をし学びになりました。
この滑り止めの部分は、まだまだ改善の余地がある部分だと感じています。
※効果には個人差があります
特徴その5.足裏クッション
特殊な編み方で従来の2倍の衝撃吸収を実現
手に入れたら、まず裏返してみて下さい。
きっと驚きの光景を目にするでしょう!
糸を大量重ね使ったこの裏のクッションにきっとあなたは驚くはずです。
従来のパイル編みの2倍の衝撃緩和が可能。見た目は驚きますが肝心の履き心地も問題なく、エコノレッグさんの探求により開発された素晴らしい技術、ソックスへのこだわりを感じる部分です。
この技術によりソックスそのものを分厚くするのではなく必要な部分にクッションを入れることができています。全体が厚め作られているスポーツソックスとの履き心地の良さやサポート感の違いをぜひ体感してみてほしいです。
※効果には個人差があります
思いがけない副産物が柔軟性UPでした。
履いてみると、かかとやアーチのサポートのおかげで背中や肩の筋肉が緩み姿勢がよくなることで、立位体前屈での柔軟性が上がることが判明しました。
もともとやわらかい人やアーチがきちんとある人は変化がみれなかったようですが、おおよそ83%の人がこのソックスを履くだけで柔軟性があがり、このタビソックスに身体をサポートする効果があることを証明してくれました。
また知人で脳出血で倒れ半身まひのリハビリをしている方がいますが、このソックスを履くと足首のサポーターがいらない(拘縮してしまい足裏が地面に対してまっすぐ下りないので捻挫をするのでサポーターをしていました)とのうれしい報告もいただいていて、バスケットボール以外の日常使いにも多いに役立っていることがとてもうれしく思っています。
ぜひ一度、履いてほしい
たかが、ソックス。されど、ソックス。
シューズにこだわるより先に、もっと長く履くソックスに目を向けてほしいなーと思います。
2023年5月8日 神戸経済新聞に鍛えつつ守るタビソックスが掲載されました。
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