バスケとアオハル⑤【GFMG】

バスケとアオハル① 新作さん登場
バスケとアオハル② 新作さんと謎の女と犬との出会い
バスケとアオハル③ 初めての朝練~序章~
バスケとアオハル④ 初めての朝練~バンブーソードの暗躍~

 


エクストリーム朝練を終え、さらに朝練を終えた新作さん。

 

朝起きるのが早かったことや、お昼前にしてすでに腹ペコで死にそうだったこともあり

 

3時間目の休み時間から4時間目の終わりまで寝てしまいました。

 

 

良い匂いに誘われて起きると、既にお昼ご飯の時間になっていました。

 

 

慌ててお弁当を取り出しバクバクと食べると元気が戻ってきました。

 

 

新作さんは今まで、ここまでお腹が減ってからご飯を食べたことはありませんでした。

 

 

 

「良い選手になるにはご飯をきちんと食べないとだめだ!
こんちくしょうめ!」

 

 

 

と顧問の先生に言われてはいたものの、
(いつも最後に「こんちくしょうめ」が付いてくるのはなぞだが)

ご飯は「ただお腹を満たすだけ」としか感じていなかった新作さん。

 

 

しかし今日は違いました。

 

 

体中がお昼ご飯によって、その名の通り「エネルギー」として染みわたっていく感覚を
身をもって経験し

 

 

「先生の言うとおり!身体を作ってくれるごはんをしっかり食べない選手は

 最後エネルギーが切れて、ぼ、ぼ、

 

 

ボールを蹴ってしまうんだぁぁぁ!」

 

 

と、叫び、半分泣きながらお弁当のフィニッシュに向かって怒涛のように白ご飯をかっこみました。

 

 

 

「うぉーーーー!!!
 こんちくしょうめーー!!」

 

 

泣き叫びながらお弁当を食べる新作さんをクラスメイトのみんなは、ちょっと遠目に

「え、ヤバ・・・」という目で見ています。

 

 

 

 

(っハ!! Σ(゚□゚(゚□゚*))

 

 

 

我に返る新作さん。

 

 

 

(し、しまった、あまりの感動に、つ、つい)

 

 

クラスの気になるあのコ、ハル子ちゃんにもバッチリ見られていました。

 

 

(うわ・・わわ。何やってんだ俺。。こんちくしょうめ・・)

 

 

と顔を真っ赤にして、みんなの方を見れない新作さん。

(こんな時は教科書ブロックだ・・)

 

教科書ブロックのまま午後の授業も結局寝てしまい、気づけばHRの時間になっていました。

 

 

放課後はもちろん部活です!

 

部活の時はヤルキ、元気いっぱいの新作さん。

 

 

誰よりも声を出し、誰よりも汗をかき、無事怪我することなく終了しました。

 

 

なんだかエクストリーム朝練をしたせいか、動きもよくナイスプレーのあと

チームメイトでハイタッチなんかもしちゃいました。

 

 

 

(なんだかやる気が出てきちゃったなぁ。
帰り2号さんのところ行ってさらに特訓してもらおう!!)

 

 

やる気みなぎる新作さん。

4部練やっちゃう気です。

 

 

2号の家に着くと同時に、散歩から帰って来たワンダーさんと2号と鉢合わせになりました。

 

新作さんは今日の出来事を早くしゃべりたくて仕方ありません。

 

 

「あ!2号さん!ワンダーさんこんばんは!
 今日はあの後朝練に行って、もうお腹ペコペコで!お昼ご飯が・・」

 

 

 

「ちょ、うるさい。ワンダーさんの髪の毛といたって」

 

 

え!?か、髪の毛?

あ、あぁブラッシングね。

(その前にうるさい?)

 

 

「2号さん!ブ、ブラッシングできました!それで!あの!」

 

 

「次ワンダーさんの体くまなくチェックして。

 ひっつき虫とか付いてないか、とか。

 他の要らん虫付いてないかとか」

 

 

(え、虫ってそんなに付くもの?)

 

 

「耳の掃除して、足の裏のチェックして。火傷してないか

 虫が肉球に挟まってないかとか」

 

 

(また虫!?)

 

 

新作さんは言われた通り、くまなくチェックしました。

 

 

「できた?サンキュー。ほなそこの蛇口のとこで手をしっかり洗ってきて」

 

 

は、はい。と手を入念に洗い、ようやく話を聞いてもらえる!

と思い2号とワンダーさんの元へ。

 

 

「なんや、まだなんかあるんかいな?」

と、言いながら新作さんの手にオニギリを置く2号。

 

「え、僕はお手伝いに来たわけじゃなくて、その・・と

特訓をしてもらおうと思って!」

(お、おにぎり?え、お駄賃?)

 

「新作さん。練習終わった後、下着着替えた?」

 

 

「え!!!」

赤面する新作さん。

 

 

「それより前でいくと、しっかり練習後のストレッチした?」

 

そういえば、4部練に気をとられ「4部練後にしっかりストレッチすればいいや」

と、入念にはできていない・・。

 

 

「練習の後のモップ掛けはしたんか?」

 

 

「そ、それは1年生の仕事って決まっていて・・」

 

 

「1年生3人しかいないのに?」

 

「・・う・・」

 

 

いつもは新作さん、練習終わったら1年生と一緒にモップ掛けして

ボールの数を数えて、用具のチェックをして体育館を出ます。

 

 

(なんでこの人、チーム事情知ってんだ!?)

 

と思いつつ、何も言えない新作さん。

 

 

「君が今からやるべきことを言う。

 これも特訓やからしっかり聞きや」

 

 

「は、はい!」

 

 

ドキドキドキドキドキドキドキドキ・・・・・・・

 

 

「しっかりストレッチをして、しっかり食べて、あったかいお風呂に入って、きちんと宿題して、

 

 今日やった練習内容の記録と振り返りをして、10:00には寝ること。以上。」

 

 

 

「え!?それだけ・・。」

 

 

 

「そうや。あと、そのオニギリ食べていいよ。
 あぁ。それと。練習終わったら下着も変えること」

 

 

「え、あ、あのそれって何か大事なことなんですか?」もぐもぐ

 

 

「濡れたTシャツは着替えるのになんで下着は着替えない?

 一番肌に触れて一番濡れてるのに?

 

 下着をきちんと変えないと、風邪をひいたり、お腹痛くなったり、
 新作さんの年頃だとニキビができたり、良いこと無し。なにより不潔。

 

 練習着の一つでもある下着もきちんと変える必要があるやで」

 

確かによくお腹痛くなる・・。

 

「散歩が終わったら、しっかり散歩中の汚れを取って次の為のケアをする。

 練習も同じ、終わったらしっかり体育館にお礼言って綺麗にして、
 体もしっかりケアすること。そして明日に備えること。

 新作さんの年頃の子はしっかり睡眠時間を確保することも重要な練習なんやで。

 練習のほかに1つエクストリーム朝練を追加してるねんから、昨日より今日の方が
 疲れてる。それに加えてまた練習なんかしても身にならん。

 食べるのも、寝るのも練習のうち。

 

 あ、

 今日ご飯めっちゃおいしかったやろ?」ニヤリ。

 

「は、はい!すごいおいしくて!それにすごくお腹お減っていて!
 このおにぎりもおいしいです!実はお腹すごい減っていて!」もぐもぐもぐ

「明日からオニギリ3つ追加で作ってもらい。あとバナナも入れてもらい。」

 

「は、はい!」

 

「あとしっかり勉強もするんや」

 

う!・・。

 

「はい・・」

 

「言っておくけど、勉強できるできない別にして、宿題とか授業とか
 ちゃんとしない人は、バスケせんでいいねん」

 

「ぼ、僕頭はあまりよくないです・・」

 

「そんなんわかってる」

 

分かってる!?えぇ・・。

 

「そんなん言うてるんじゃない。できるできない以前に、やるかやらないか。
 誰でもできること、『宿題する』とか
 『授業聞く』とか、”やるべきこと”はきちんとしなあかんって話。

 

 バスケなんかな、やらんでもいいんやで。
 君は中学生なんや。
 勉強することが仕事や。義務教育や。

 義務が果たされへんのやったら、プラス(余分)の部活なんてせんでもいい。

 

 学校の勉強だって本当はすごく贅沢なことなんやで。」

 

 

新作さんはいつか見たTVの一場面を思い出していました。

嫌なら辞めなさい。勉強は贅沢なんだから。

世界中には勉強したくても家が貧しく、働かなければならない子もたくさんいる。

にも関わらず目の前の学生は両親が面倒を見てくれて、
学校に行かせてくれるだけではなく、
高い塾の授業料まで払ってくれるという恵まれた環境にいる。

それなのにやる気にならない。

自分がいかに恵まれているかも分からない人間が
勉強したって意味ないでしょう。だったらもう辞めなさい。

 

今に感謝して、今の環境で精いっぱいしないと・・

僕はすぐ新しいものに目がいってしまう。。

 

「今までできてたことを新しいことに目がいって
 できなくなってしまうなんて勿体ない。

 きちんとステップアップするには、大事なこと忘れたらあかん。」

 

「はい!」

 

「あ、そやそや、コレ」

 

渡されたのは1枚の綿Tシャツ。

 

「それオフコート用。この生地、使えば使うほど味出るから。

 見るたび味のあるプレーするようになれるよう頑張り。」

 

 

「は!はい!!」

 

「NO LIMIT・・?」と新作さんはハテナ顔。

 

「そや。『Your Only LIMIT is you』や。」

 

 

ハテナ顔の新作さんに向けられた2号の不敵なニヤリ顔。

 

 

ゾク……

 

「限界超えてみようか。」ニヤニヤニヤ。

 

ゴ、ゴク。。

 

オニギリが喉に詰まりそうになった新作さんでした。

 

 

つづく。

 

 

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ついでに長袖も。

私は2日に一度はこのシリーズTシャツ着てます。最高。最&高。

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この記事を書いた人

バスケ歴:松陽ミニバス→中学は陸上部→甲子園学院高校→園田女子大→大阪ガス(2016年3月退部)

小5で始めたミニバスで将来を嘱望されたが、地元中学にバスケ部がなかった。周りからは越境も勧められたが陸上部に入り、全中出場を果たす。 その後兵庫県でNO,1だった甲子園学院に中学未経験ながら堂々入部。 入学時はバッシュもなく底を綺麗に拭いた運動靴で練習をし見かねて顧問の先生からもらうなど、様々なエピソードの持ち主。「涙は分泌物」と言い放ち、心が鉄のように動かないため、鉄子とも言われている。

大学卒業後は一般企業に勤め、数年プレーしない日常を楽しんでいたが、会社の飲み会にてたまたま大阪ガスの試合に誘われ流れのまま入部。 工場長と出会う。チームでは常に30点は得点あげていた絶対的エース。

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